涼子日記(NO.3)
2000.12.14
私は夜更かしだ。
heartzさんにもそれはばれていて、
「お前いつも何時に寝てるんだ。」
と、良く聞かれる。最近夜更かしはエスカレートしていて、
真夜中と言うより明け方に近い時間まで起きている。
おかげで昼間はほとんどゾンビか幽霊で、昼寝で睡眠時間をとっていると言ってもいい。
それが暗くなってくると頭がすっきりしてくる。
こうやって何かを書いたりするのは、家の中も外も静まり返った頃からだ。
何かしている時もあれば、何もしてない時もある。
大抵は何かを書いているけれど、時々ぼーっと考え事だけしている時がある。
うちのパソコンの奥の方に、heartzさんの写真が収めてあるフォルダがあって、
ほんとにたまにだけれど、開いて見る時がある。
この時もそうやって動かないheartzさんを眺めていた。
するとメールを着信した知らせが鳴った。
heartzさんだった。
頬杖をついてボケーっとしてた所を見られていたんじゃないかと思って、
ひとりで焦ってしまった。
『おれに調教を受けられたときを思い出してオナニーしておくように。』
雑談のような文章の中に紛れて、そう書いてあった。
やらなくてはいけない事があったし、本当は早く寝なくてはいけなかったのに、
夜更かししていたのは、実はそういう気分だったからだ。
偶然だろうけれど、
heartzさんはこんな風に私が考えている事を見透かしているような発言をする時が多い。
真夜中だと言う事が私を大胆にさせた。
オナニーは前からしていたが挿入するより外側の方が感じる事もあって、
物を使う事はほとんどしていなかった。
たまに入れてみても気持ちよかった試しが無かった。
でも自分が以前と変わっているのではないかともわかり始めていたので、
試してみようと思ってしまった。
実はこの間買い物している時に、良さそうな物を買ってあったのだ。
この時も寝不足でぼ〜っとしていて、意識がどこかに飛びそうになってたせいもあったが、
その「物」を前にしばらく眺めていたから、不気味な人だったと思う。
「これちょうど良さそうだな・・・。」
と、ふと目に付いてそう心の中で考えたら、
「ちょうど良さそうだな」と文字になって頭の中をぐるぐる回ってしまっていたんだから、
自分でも怖かった。(笑)
こっそり隠してあった「それ」を出してきた。思ったより太かった。
人間の感覚は当てにならないもんだと思った。
「入らないかもしれないぞ・・・。」ちょっと不安だった。
服を全部脱いだ。
それだけで興奮していた。
「何やってんだか・・・。」
でも今夜は私を呆れる私には口出しさせない。
目を瞑る。
暗くて静かな世界が広がる。
heartzさんの声が聞こえてきそうだった。
すでに濡れている。
heartzさんの事を考えただけで、何をしていても反応する。
この間は友人達とおしゃべりしながら、heartzさんと会った時の事を思い出していて、
途中でトイレに行って気がついた。
さすがにこの時は自分でも呆れた。
呆れながらも、自分の変化を楽しめる余裕が出てきている事に気付く。
以前の私は淫らな事を考えている自分を隠していた。
「私はとても平和です。」と声高らかに言い、そう言う事でまた自分に言い聞かせ、
必死でもう一人の自分を隠していた。
未だに吹っ切れたわけではないし、快楽を受け入れられているわけでもないけれど、
感じる事は恥ずかしい事ではなくて、自然な反応なんだと思えるようにはなった。
そうでなければオナニーしたなんて事を、heartzさんに言ったりはしなかった。(笑)
乳首を触る、息が漏れる。感じるけれど、でもこうじゃない。
摘まむ、もっと強く痛いほどに。これだ・・・。
「苛めて下さいって言え。」
heartzさんのあの声が聞こえてくる。低い私の好きなあの声・・・。
溢れてくるのがわかる。
思い出してくる。映像になって瞼の裏側に映り始める。
鼓動が激しくなっていた。体のどこかが熱くなっている。
入れてみた。
声が出た。思わず自分の手で口をふさいだ。
なのに反対の手は動いている。
もう止まらない。
止められない。
止めたくない。
後ろ向きになる。クッションで顔をふさいだ。
映像がもっとリアルに蘇る。
heartzさんの手が後ろから私の首に回る。
この息ができなくなる瞬間がもの凄く興奮する事も、新しい発見だった。
これがわかった時も私は自分が異常なんだと思った。
押さえつけられたり、自由を奪われたり、締め付けられる事に興奮するのは、
珍しくないと、heartzさんはあっさり言った。
それを最後に私は自分を異常だと思うのはやめた。
何に反応してどんな事に興奮するかは人それぞれで、
特にSMの場合はなんでもOKなんだと思う事にしようと思った。
私が何を言っても、どんなにうろたえても、heartzさんはいつも変わらない冷静さで対応する。
多分私が出会った男の人の中で、heartzさんは一番強い人だと思う。
初めて会って話した時からそれは感じていた。
「この人は大丈夫だ。」
最初は違っても、だんだん私に甘えるようになっていった。
遠慮なしに弱さを垂れ流す。
そして言われる。
「お前は俺じゃなくても大丈夫。」
「お前は強いから大丈夫。」
そして絶望する。私を捨てた事にではなく、私をわかってくれていなかった事に。
heartzさんのそういう強さを知った時、いつもの私はさみしいと思い、
もう一人の私はほっとしたのを思い出す。
だからこそ私は全てを任せていようとしているのだと思う。
一見冷たく突き放しているようで、本当はそうじゃない事を、私は前回会ったときに知った。
それでも私が知っているのはheartzさんのほんの一部分だろう。
私が知る事ができるとしたら、それはもっとずっと先の事だ。
その拒絶さえも今の私には快感に変わる。
突かれる。何度も何度も。
自分の手が濡れた。そんなに濡れている自分に驚いた。
やっぱり私は変わってきていると確信した。
アナルにも入れた。ここを開発したのはheartzさんだ。
痛いという恐怖心を取り除いてくれた。
快感の波が来る。
「いきそう・・・。」
そう意識した途端、波が遠のいた。
『いく事を意識するな。』
heartzさんが私に教えている事のひとつ。
気持ちいい事だけを考える。今ならできそうだと思った。
もう1度。
目を瞑る。暗闇が気持ちを集中させていく。
「いやらしいな、こんなに濡らして。」
「もっと苛めて下さいって言え。」
声を思い出す。
また溢れ出した。
heartzさんにすぐに反応する自分が嬉しかった。
そう思った途端、さっきより大きい快感の波が来た。
「あっ・・・。」
押し付けていた顔が上がった。
目が合った。
パソコンの画面に出しっぱなしにしてあったheartzさんの写真。
目が合う。
フラッシュバック。
背中。
手。
フラッシュの閃光。
あの匂い。
声。
痛み。
体が覚えている。
そして真っ白い波が私を包んだ。
オナニーでここまで感じたのは初めてだった。
それはそれで良かったのだけれど、やっぱり後がさみしい・・・。(笑)
正気に戻って笑ってしまった。
素っ裸で穴に突っ込んだままの自分の格好。
妙な声を出すご主人様を心配したのか、隣でうちの牝犬が私の様子をうかがっていた。
「何見てんだよ。」
私は荒井注か・・・。
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